初めての一人歩き@新宿

 6月最後の日曜日。普段土日休みのサラリーマンだが、この日は終日、休日出勤が割り当てられた。朝9時から夜8時頃まで、ひたすら会議室にこもって仕事…かなりヘタレた。

 が、しかし、私にとっては一つのチャンスだった。それは、仕事が終わった後、日曜日の夜に、声掛けする練習ができるかも…というものであった。家庭もあり、週末に声掛けに出かけることは至難の業…そんな私に巡ってきた、一つのチャンスである。

 夜8時過ぎ。職場を出て向かったのは、通勤途中の新宿。新宿東口を降りて、新宿3丁目方面に歩き出す。まず行ったのは、カフェ、カラオケの位置確認。ビックロ、伊勢丹の場所はすぐ出てきても、いざカフェに入ろうとしても「あれ、どこ?」となっては終わり。またホテルに行くことになっても、そもそも新宿のホテル街ってどこにあるかもわかっていない。声掛け後、どういう風に動線を持っていくかを考えるにあたり、この下調べは、非常に大事な活動だと思って歩き始めた。

 午後9時前…「どこにカフェあるんだろう…」とキョロキョロしながら通りを歩いていると、伊勢丹前の交差点に差し掛かった。そこで、プラスチックのような固いものが、道路に落ちた音がした。ふと目を向けると、何かのカード?ちょっと目線を上げると、若い女性が信号待ちしている。「もしかして落としたのかな?」と思い、「あ、カード落ちてますよ!」と声掛け。振り返られると、めちゃ美人だった…心に刺さった!てか、この時点で終了。準備できていないどころか、完全に自己コントロールできていなかった。カフェ探しに気がとられていて、完全に油断していた…

 この時、少しでも準備できていたら「うわ、めっちゃ美人ですけど、何喰ったらそんなにきれいになれるんですか?」と攻め込めたはず。それが、打たれた…しかも、超好みの清楚系。「あ、それ私のじゃないんです」っていう声も、ちょっと弱弱しくて、押せばついてきたタイプのはず…

 信号が変われば、当然のように私を置いてそそくさ歩き出す清楚系ちゃん。完全に足が固まってしまった私は、それを目で追うことしかできず…嗚呼、こんな大チャンスをみすみす逃してしまうことになるとは…心刺さるのは、自分じゃなくて、相手に刺さなきゃいけないのに!

 そんなことで大ダメージを食らってしまった私は、その後も「いいな~」と思える子を見つけつつも足が向かず、結局カフェ、カラオケ、ホテル街の場所をふらふら回って確認。カフェは東口ならスタバ、Excelsior、ルノアール、椿屋、プロントか。南口ハンズまで行けば、サンマルクもある。カラオケは紀伊国屋書店前と靖国通り沿いにカラオケ館。ホテル街は歌舞伎町や区役所前のいかがわしいところを通らなければならないので、ちょっと不安だが、歌舞伎町手前や新宿3丁目にもそれなりの場所を発見。とはいえ、これらをうまく動線でつなぐのは、なかなか難しい。しかも、どこで声をかけて、どう向かわせるかがカギになりそうだ。

 初心者特有の(?)大ダメージを食らいつつ、なんとかロケーションチェックは終了。ホテル街に向かう途中、歌舞伎町では、いかついアフリカンの男性に「お兄さん一人?オッパイいっぱい触れる場所あるよ、どう?」と言われたり、道路に臥せって大泣きする女性を、必死になって慰めているおばちゃんを見たりと、なかなか違う世界を堪能することができたのは面白かった。しかし、ダメージ復活にはならず、結局1時間ほど新宿を歩いて、初めての一人歩きが終了した。結果は声掛け1、反応あり1の、地蔵多数だろうか…情けなさすぎる。

 このアホ記事を半年後に見た自分は、どう思うだろうか…それが今から楽しみでもある。

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